2012年3月29日木曜日

賛否拮抗した介護保険料抑制を県へ求める意見書































昨日、3月定例会の最終日でした。
新年度予算含めた44議案と、公的年金改悪に反対する請願1件、意見書提出の議員発議3件の討論、表決が行われました。(先の日程で、他議案4件と補正予算11件、議員発議1件は表決済み)

議員発議の介護保険財政安定化基金による第5期介護保険料引きあげ抑制を求める意見書について今日は書きます。
 採択の表決では、賛成8名(佐藤・かまづか【共産党】、田中・太田・西浜議員【志民の会】、池本・奥野議員【創政会】、新阜議員【緑風会】 )、反対9(採決に加わらない議長を除く 他議員)と、あと1人賛成していれば採択可決でした。

介護保険は、「介護の社会化」「みんなで支える老後の安心」などを合い言葉にスタートした介護保険ですが、 全国では42万人、淡路では300人余りの方が施設入所待ちといわれる「介護難民問題」、家族の介護に世仕事を辞めざるを得ない「介護退職者」が年間10万人以上の問題、老々介護や、認々介護、また、介護疲れからの「介護心中」「介護殺人」の問題、さらに、介護現場での人材不足は依然として深刻で、介護保険の現状は「保険あって介護なし」の「介護の危機」と言うべき状況です。

その介護保険ですが、3年ごとに制度改定で保険料等が見直されます。4月から第5期事業のスタートになります。5期では、4期の保険基準額(年間)の44400円から55200円(月額ですと3700円から4600円)へと22.4%の値上げになります。
 この改正額には、国・県・被保険者が1/3ずつ拠出している県の財政安定化基金から、取り崩し分が入っています。しかし、その分を取り崩しても被保険者(対象の市民)は大幅な値上げとなります。
 そのため、少しでも県の負担分を同様に自治体に配分して抑制をしてほしいという意見書を提出すべきとの提案なのです。
 県の基金は、自治体が介護保険事業運営に困った時に貸付をしたりするためですが、これまでそれほど取り崩されずに約121億たまっております。今回、約49億円を5期の必要分として確保し、残りの約72億円を各1/3ずつ国・県・自治体とに案分します。その1/3の約24億円のうち淡路市への割り振りは約3300万円となる見込みです。1人あたり約70円という金額ですが、県の24億円の使い道を同額自治体にいれて保険料抑制に充ててくれれば、淡路市民にとって3300万円分の住民サービスは大きなものです。

私自身も、先の9月議会の一般質問で、法律改正に伴う基金の取り崩しの事を取り上げ、市当局に対して、県からのヒアリングの際などには提言すべきと主張しておりました。
すこしでも、被保険者(市民)の負担軽減をと県下40市町の健康福祉関係の部長(淡路市では五條健康福祉部長)や理事さんも同様の緊急要望を県の健康福祉部にしていました。(上部画像)

これに議会も同様の態度をとり、意見書をあげることが市民の福祉増進を願う議会人の使命と提案したのですが、結果に市民も愕然とするのではないでしょうか。